【受け答えのマナー】これだけは押さえておきたい敬語

“大人の言い回し”をマスターする

仕事の場では、それにふさわしい独特の言い回しや言葉づかいがある。

たとえば、取引先に商品の有無を尋ねられたら、「あります」ではなく「ございます」。

対応を聞く場合は、「どうしますか」ではなく「いかがなさいますか」である。

さらに、注文を受けたら「わかりました」などといわずに「承知いたしました」か「かしこまりました」と応える。

また、「いいですか」は「よろしいですか」とするのが大人の物言いである。

 

尊敬語と謙譲語を使いこなす

取引先を訪問した際、「社長はいますか」などと聞いたら、それだけでアウト。

その場合は「社長はいらっしゃいますか」である。

相手の動作については、「言う」は「おっしゃる」、「見る」は「ご覧になる」、「行く」は「いらっしゃる」、「食べる」は「召し上がる」という尊敬語。

自分の動作なら、「言う」は「申す」、「見る」は「拝見する」、「行く」は「うかがう」あるいは「参る」、「食べる」は「いただく」という謙譲語を使う。

このくらいの尊敬語と謙譲語はきちんと使いこなせるよう、マスターしておこう。

 

ていねいな「お」もつけすぎは禁物

丁寧に表現しようと気を利かせて使った言葉が、みっともない言い回しになっていることがある。

典型的な例は、「おコーヒー、お飲みになりますか」など、何にでも「お」をつけてしまうケース。

本人は品よくいったつもりかもしれないが、相手には滑稽に聞こえ、敬語の使い方を知らない人という印象を与える。

外来語には「お」をつけないのが常識である。

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過剰敬語はみっともない

お客さまに食べ物を勧めたくて「お召し上がりになられますか」といったら、上司に渋い顔をされたーー。このように敬語を重ねるのは、敬語としてもおかしいうえ、卑屈な感じがしていわれたほうは不愉快に感じることも。

この場合は「召し上がりますか」が、スマートで正しい言い方だ。

過剰敬語は、常識だけでなく品性まで疑われるので要注意である。

丁寧な言い回しをマスターする

あります→ございます

どうしますか→いかがなさいますか

わかりました→承知いたしました、かしこまりました

いいですか→よろしいでしょうか

来てもらえませんか→ご足労願えませんか

課長に伝えます→課長に申し伝えます

誰→どなた

どこ→どちら

さっき→先ほど

今日、昨日、明日→本日、さくじつ、みょうにち

敬語の使い分けをマスターする

いる→(尊)いらっしゃる(謙)おる

言う→(尊)おっしゃる(謙)申す

見る→(尊)ご覧になる(謙)拝見する

行く→(尊)いらっしゃる(謙)うかがう、参る

食べる→(尊)召し上がる(謙)いただく

聞く→(尊)お聞きになる(謙)うかがう、承る

読む→(尊)お読みになる(謙)拝見する

知る→(尊)ご存じ(謙)存じ上げる

する→(尊)なさる、される(謙)いたす、させていただく

来る→(尊)いらっしゃる、お見えになる(謙)うかがう、参る

 

社外の人の前では社長も身内

上司に対しては尊敬語を使うが、対社外になると使い方は変わってくる。

自分にとっては上司でも、社外の人から見れば同じ会社の身内の存在。

だから、お客さまに社長を紹介するとき、「当社の社長がいらっしゃったのでご紹介いたします」などというのはNG。

「当社の社長がまいりましたのでご紹介いたします」が正解だ。

相手を敬う敬語は、状況によって優先順位が変わってくる。

社内では敬語を使う相手でも、社外の人と話す場合は、社外優先。

身内として話さなければ失礼になる。

 

上司の家族には尊敬語を使う

社外の人と話すとき、上司については身内として謙譲語を使うが、相手が上司の家族や親族の場合は、例外だ。

たしかに家族や親族は社外の人ではあるが、上司の身内。

そのような相手に謙譲語を使うのは失礼にあたる。

社外からの電話には「○○は、ただいま席を外しております」で正解なのだが、上司の奥さまからの電話をとったときは「○○課長は、ただいま席を外していらっしゃいます」のように尊敬語を使う。

この際、「いつもお世話になっております」と挨拶をするのも、大人のマナーである。

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