【不幸のマナー】通夜・葬式で心得るべきこと

葬儀に参列するときの心得

もっとも多い仏式の葬儀では、通夜、葬儀、告別式の三つを営むのが一般的。

通夜は本来、故人と最後の一夜をともに過ごすことをいったが、最近は、夕方から1~2時間集まる「半通夜」がふつうになり、一般会葬者も参列するようになった。

告別式とは、友人・知人が成仏した故人に別れを告げる葬式のことで、本来は葬儀のあとに行われるものだが、これも近年では一般会葬者が火葬場まで行くことがないため、葬儀と告別式は同時に行われることが多い。

出席した場合は、出棺まで残り、最後のお見送りをする。

通夜と葬式(葬儀・告別式)のどちらに出席するかは、自分の都合を優先してかまわないが、訃報を聞いてすぐに駆けつけるほど親しい関係なら、通夜と葬式の両方に参列するのが礼儀だろう。

 

遺族への挨拶はできるだけ控える

通夜や葬儀では、遺族にお悔やみの言葉をかけることになる。

遺族の悲しみを思いやり故人を悼む気持ちを伝えたいものだが、遺族、とくに喪主は、悲しみに耐えてさまざまなことに対応しなければならない。

そんなときに、こちらから呼び止めて挨拶するようなことはできるだけ控えるべき。

お悔やみをいう際も、長々と思い出話などをするのは慎み、「大変でしたね」「お察しします」のように手短に述べるのが気づかいというものだろう。

病状や死因を詳しく尋ねるようなこともタブーだ。

 

数珠の基本的な作法

仏式の葬儀に参列する場合、数珠を持参するのがふつうだが、参列者が仏教徒でない場合は、数珠はなくてもよいとされている。

ただ、数珠を貸し出すケースがあるので、数珠の基本的な作法は覚えておきたいところだ。

数珠の持ち方は、房が下にくるように左手に持ち、焼香するときは、短い数珠は左手の親指と人さし指の間にかけ、長い数珠は二重にして同様にかける。

合掌するときは、短い数珠は両手の親指と人さし指の間にかけ、長い数珠は両手の中指にかけ直す。

合掌が終わったら再び左手で持つ。

畳やイスの上に置くのはNG。

数珠をもてあそぶようなしぐさが厳禁なのは、いうまでもない。

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通夜ぶるまいをすすめられたら

通夜の席では、通夜ぶるまいといって、別室に食事や酒などが用意されている。

お焼香をすませたあと、通夜ぶるまいをすすめられたら、よほどの事情がない限り、素直に応じるのが礼儀である。

通夜ぶるまいには、お清め、弔問のお礼などの意味もあるが、故人にとっては現世での最後の夜。

通夜ぶるまいを断るということは、故人との最後の食事を断ることになる。

遠慮して固辞するのは失礼であり、遺族からすすめられたら、一口でも箸をつけたい。

ただし、長居をしたり飲みすぎたりするのはご法度。

遺族以外なら、30分~1時間ほどで切り上げるのがマナーだ。

 

通夜ぶるまいの席でのタブー

通夜の席での話題は、故人にかかわることに限られる。

参列している人たちとともに故人との思い出話を静かに語り合い、しんみりと聞き入るようにすればよい。

故人と親しかった友人が「故人は明るい性格で賑やかなことが大好きだったので、楽しく盛り上がりましょう」などと言うことがあるが、遺族がそう言い出さない限り、このような無神経な誘いには同調してはいけない。

通夜ぶるまいでは酒も出るので、舌の回転も滑らかになり、故人に関係のない話に花を咲かせているケースも見かけるが、何よりも遺族の気持ちを考えるのがマナーと心得よう。

 

出棺を見送るときはコートを脱ぐ

凍てつくような寒い日の葬儀というのも珍しくはない。

寒風が吹くなか、屋外で出棺を待つ間のコート着用はかまわないが、出棺を見送るときはコートを脱ぐのがマナー。

会葬御礼の挨拶がはじまるころにはコートを脱いで、故人に礼を尽くすようにする。

あまりにも寒いようであれば、喪服の下にもう1枚余分に着込むが、使い捨てカイロを貼るなどして、防寒に備えるとよい。

コートは黒や濃紺、濃いグレーなどの地味な色のもので、デザインもシンプルなものがいい。

毛皮や革のコートは殺生を連想させるためタブーだ。

 

密葬・家族葬の場合の注意点

密葬や家族葬は、遺族や親しい親族などの身内だけで行なうものだ。

訃報を公にせず周囲や勤務先の人たちにも告知しないケースや、訃報に密葬と明記されているケースなどいろいろだが、いずれの場合も、親族から「どうぞ参列ください」と声をかけられない限り、出席を見合わせるのが礼儀である。

ご 後日、本葬や「故人を偲ぶ会」などが行われることがあれば、そこに出席すればいい。

密葬の場合、死亡通知や喪中ハガキをもらって、はじめて逝去の事実を知ることもあるだろう。

どうしてもお別れをいいたい場合は、落ち着いてから、友人や同僚などで「お別れ会」「偲ぶ会」を開くという方法もある。

その際は、遺族にも声をかけ、参加していただくようにしたい。

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