【電話のマナー】“やっかいな電話”にどう対応するか

なかなか終わりそうにない電話を切りたいとき

電話が長くなり、外出の時間が迫っているーー。

こんなとき、おもむろに「そろそろ、外出しなければなりませんので……」といったのではいただけない。

相手には勝手に切られたという印象が残り、自分の都合を優先して、相手の話を無視したとも受け取られかねない。

そこで、なかなか終わりそうにない電話を切るときは、「後でこちらからおかけ直ししてよろしいでしょうか」というのもひとつの方法だろう。

外出する旨を説明した後に、この言葉をフォローしておけば、相手は話の腰を折られたとは思わないものだ。

 

切るときには最後まで気を配る

外出などの予定はないのだか、やたらと雑談が長引いて、いい加減にこちらが切りたいときはどうするか?

こんなときも、相手の話の腰を折るような印象を与えることは禁物。

できるだけ、話のつづきを次回に持ち越すようにもっていくといいだろう。

「今度お目にかかったときに、ぜひくわしいお話を聞かせてください」などといって、話を終わりに近づけていく。

さらに「いろいろと貴重なお話をしていただき、ありがとうございました」などと重ねれば、さすがに相手も話を終えようという気になるはずだ。

最後に電話を切るときも、こちらからかけた電話なら「では、失礼いたします」、電話をもらったのなら「お電話ありがとうございました」というのは、最低限のマナーである。

 

間違い電話がかかってきたときは

間違い電話だとわかったとき「違います!」と、ガチャンと切るのはいただけない。

得意先が間違って電話をかけてくることだってあるし、自社の製品を愛用してくれている消費者だったりすれば、会社のイメージが悪くなるだけである。

「失礼ですが、どちらへおかけでしょうか。こちらはA商事ですが」と告げれば、相手も間違いにすぐ気がつくだろう。

それでも納得してくれないときは「こちらは03-○○○○-○○○○ですが」とこちらの電話番号を告げれば、相手も納得してくれるはずだ。

 

氏名もいわず「課長さん、いらっしゃいますか」と聞かれたら

取り次ぐか否か判断に困る電話がある。

自分の社名もいわず「課長さん、いらっしゃいますか」と聞いてくるようなケースだ。

「山田課長、いらっしゃいますか」なら知り合いと考えてもいいが、ただ「課長さん、いらっしゃいますか」と役職名だけをいう場合、取り次ぐ必要のない電話と考えていい。

こんなときは「あいにく課長は外出しております。戻りましたらお電話させますので、よろしければお名前とご連絡先をお願いします」といえば、たいがいは電話を切ってくる。

 

判断に迷ったら、当人に確認する

先のケースで、もし無関係な電話かどうかはっきりしないときは、勝手に判断しないこと。

課長に電話に出るかどうかを聞いてみるしかない。

「少々お待ちください」といって電話を保留にし、課長に電話の内容を伝えよう。

案外、プライベートな電話というケースもあるのだ。

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氏名もいわず「社長いる?」と聞かれたら

無関係な電話かどうかはっきりしないケースには、やたらと横柄な電話もある。

「ワシだ。社長いる?」といった電話の調子だが、この手の電話は押し売りのケースでないことも多い。

大口の株主だったり、あるいは得意先のワンマン社長だったり……。

ここは素直に取り次ぐ姿勢を見せるしかないだろう。

 

クレーム電話をとったとき

電話をとるや、いきなり苦情を言われた場合、その内容が自分の担当外でわからないことも多いのだが、ここで「担当と代わりますから、そちらで聞いてください」などと告げたのでは、相手の怒りにさらに火をつけるようなものである。

電話をたらい回しにするような、無責任と感じられる態度をとれば、会社そのものの態度が疑われかねない。

クレームにひとりで対応するのは難しいが、かといって、自分には関係がないという態度では不誠実だ。

事情がよくわからなくても、クレームに対してはひとまず詫び、「いま、事情のわかる者に代わりますので、少々お待ちください」と告げるのがルールだろう。

 

言い訳は禁物と心得る

自分がクレームの担当者の場合、言い訳をすると火に油を注ぐ結果になる。

「いま、大変忙しい時間なので、ミスも少なくないのです」などといえば、相手は納得するはずがない。

逆に言い訳の揚げ足をとられて、さらに追い詰められることにもなるし、あとでクレームの対応に出てきた社員を困らせることにもなる。

 

クレームの最中に「でも」は禁句

言い訳と同じく、「でも」という言葉をはさむのも、話をややこしくするもとになる。

たしかに反論はあるかもしれないが、まずは相手の言い分を聞くのが先。

相手はクレームの内容をすべて吐き出さないうちは、何をいわれても、聞く耳をもたないもの。

苦情の内容が当たっているなら、「おっしゃるとおりでございます」と受け止め、場合によっては「申し訳ございません」と詫びる。

 

こみいった内容の苦情は、一度電話を切る

クレームには「今後、気をつけます」で終わるものもあれば、調べてみないことにはわからないもの、あるいは、上司に相談しないとわからないような複雑なものもある。

後者のようにある程度時間がかかるような場合は、電話を保留にせず、一度電話を切ってしまったほうがいい。

「申し訳ございません。ただいま調べまして、こちらからすぐにご連絡いたします」といって、あとから事情を説明したほうが納得してもらいやすいものだ。

最後に「貴重なご指摘をいただきましてありがとうございました」のひと言を添えよう。

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